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告、指導等及び市町村相互間の連絡あっせんの三種の機能を含むとされ、この規定は、府県の中間団体的な性格を明らかにし、市町村に対する指導的な地位にあることを示した重要な規定だとされている18)。これに対し、たとえば神奈川県自治総合研究センター「指定都市と県」研究チームは、連絡調整をこのように解すると、府県と市町村との対等性の原則から問題があるとし、むしろ非権力的な「支援」機能が期待されていると解すべきだとする19)。 また、この点は、そもそも府県が市町村と対等独立の自治体とされながら、なぜ市町村に対する関与、介入(非権力的なものを含む)がその本来的事務とされなければならないのかが問われなければならず、前述の府県の基本的性格の議論とも密接に関連する。すなわち、府県が半国家的団体、市町村連合あるいは高次的団体だとすれば、こうした関与、介入もその事務のひとつと解されるが、市町村とは分離独立した完全自治体だとすれば、市町村に対する関与がその機能とされることはおかしいということになる。この点について、辻山幸宣氏は、府県が「市町村を包括する」広域団体であるということから、「府県の中間的な性格」や「市町村に対する指導的な地位」を引き出すのは無理があると指摘し、こうした機能を根拠づけるために前述の「高次団体的性格」論を展開しているのである20)。 また、小早川光郎氏も、自治法の「市町村を包括する」地方公共団体という文言に関して、「包括する」とは、一定の区域をもった市町村の存在がまず先行し、都道府県はそうした市町村の存在を前提としてはじめて存在しうるということにとどまり、これを根拠として市町村に対する連絡調整機能を発揮すべきだということにはならないとする21)。 (d)補完的事務 補完的事務については、これを府県の事務とすることには大きな異論はないものの、市町村の事務との重複を指摘する者は少なくない。これらの議論は、市町村の規模、能力の差異が拡大する中で、小規模町村に対する補完機能は今後とも重要だが、能力や意欲のある市町村の事務まで乗り出すことのないよう、役割分担の重要性を指摘している。 (e)市町村自治の擁護・支援 この機能については、自治法の規定には明示されていないものの、古くから指摘されている。たとえば、1950年代の府県不要論に対して対抗するときに、有識者等が指摘したのは、府県は国の地方支配に対する“防波堤”になっているという議論であった。また、最
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